あなたの米粉がどんな米粉かを見極めよう!

ここでは開発業務で行われる基本的な米粉の分析方法をご紹介します。使用する米粉を知ることはグルテンフリーレシピ開発ではとても重要となります。是非、参考にしてみてくださいね。

今回は「吉備しあわせ米粉ミズホチカラ」と「吉備しあわせ米粉コシヒカリ」を比較した例を紹介します。

米粉に合わせたレシピ開発の手順

1.ベースの米粉を決める

まずはよく使うベースの米粉を設定します。米粉の違いを見極めるためには、基本の米粉を決める必要があります。オススメは一般的によくレシピ紹介に使われる米粉や、流行りの高アミロース米がオススメです。

一部、練習が必要なテストもありますが、絶対役立つので頑張ってトライしてみて下さい。

※ここでは吉備しあわせ米粉【コシヒカリ】と【ミズホチカラ】を比べてみます。

【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

2.加水テスト

加水テストは米粉の性質を知る為に最も基本となる作業です。やり方はとても簡単です。

米粉+水 で状態を確認します。

基本的には100gの米粉に50gのお水を加えよく練りこみます。※違いが出ない場合はそれぞれに20gずつくらい同量のお水を加えます。

前もってお伝えするとコシヒカリの方がかなり給水力、保水力が高いです。

【吉備しあわせ米粉コシヒカリ】   【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

違いが分かるまで経験が必要かもしれませんが、慣れれば米粉調理で最も重要な加水量の調整に役立ちますので是非、鍛錬してみて下さい。

3.膨らみのテスト

膨らみのテストは2通り行います。

A.副原料としてのテスト

ここではシフォンケーキが確認しやすいです。同じレシピで試すことが基本となります。加水テストであまりにも違いが出た場合は数%だけ水分を増やすこともあります。今回は同じレシピで行います。シフォンケーキのレシピはメニューの〈レシピ紹介〉で公開してます。参考にしてみてください。

結果

【吉備しあわせ米粉コシヒカリ】   【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

コシヒカリの方が若干低いですね。食感はミズホチカラはさっぱりする感じ。逆にコシヒカリはとてもしっとりしていて甘さも引きたちました。個人的には味はコシヒカリで膨らみやすさはミズホチカラといった感じですね。

B.主原料としてのテスト

今回はグルテンフリーパン(ホームベーカリー)でテストをします。レシピは〈レシピ紹介〉で公開していますので参考にしてみてください。

結果

【吉備しあわせ米粉コシヒカリ】   【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

ミズホチカラの方が断然膨らんでます。やはりグルテンフリーパンにはミズホチカラの相性が良いですね。

4.とろみテスト

米粉はカレーやホワイトシチューなどのとろみにも用いられます。とろみのテストも簡単です。お湯に米粉を溶かすだけ。さあ、やってみましょう!

【吉備しあわせ米粉コシヒカリ】   【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

コシヒカリはしっかりとろみがつきましたが、ミズホチカラはとろみをつけるのには向かない米粉なのが分かります。

同じ米粉でもここまで違うんですね!おもしろい‼

5.つなぎテスト

最後はつなぎテストです。つなぎのテストにはハンバーグを使ってみましょう!レシピは〈レシピ紹介〉で公開してますので参考にしてみてください。

【吉備しあわせ米粉コシヒカリ】   【吉備しあわせ米粉ミズホチカラ】

割りばしでカットしたときに肉汁がしっかり出るのはコシヒカリでした。ミズホチカラも美味しくないわけではないですが、コシヒカリの方が向いているといった感じですね。

結果

1.米粉の設定 コシヒカリ ー ミズホチカラ で比較

2.加水テスト コシヒカリ > ミズホチカラ

コシヒカリの方が給水力が高いことが分かった。

3.膨らみテスト コシヒカリ < ミズホチカラ

ミズホチカラの方が断然膨らむがコシヒカリはしっとり感を出すのには向いている。

4.とろみテスト コシヒカリ > ミズホチカラ

コシヒカリの方が向いている。

5.つなぎテスト コシヒカリ ≧ ミズホチカラ

コシヒカリの方が美味しく仕上がったがミズホチカラでも悪くない。

以上の様な結果から既存レシピに落とし込んだ場合やレシピ開発に使用する米粉、または品種についての検討を進めていくわけです。

もし、お使いの米粉でレシピ通りいかず失敗してしまった場合、お使いの米粉の特性を理解することと、レシピに使用されている米粉について理解することがとても重要になってきます。

失敗してもあきらめずに成功目指してトライ!トライ!!トライ!!!です!