一般的な米粉は、お米を製粉機にかけて粉にして、袋詰めされたものという認識ですよね?

それで正解です!

その中で「アルファ化米粉」という言葉を耳にしたことがありますか?

あまり耳なじみのない言葉かもしれませんが、

今回はグルテンフリー開発において重要ともされるアルファ化米粉についてご紹介します!

アルファ化って何?

そもそもアルファ化とは何なのか?

それはずばり澱粉の状態の事です!

様々な穀物にはデンプンが入っていることは皆さんが知っていることだと思います。

そのデンプンは加工や条件によりアルファ化(糊化ともいう)、ベータ化(老化ともいう)といった変化をしていきます!

簡単に言えば炊く前の米粒は硬いですよね!これがベータ型のデンプン状態。米を炊くと柔らかくなりますよね!これがアルファ型のデンプン状態となるわけです。

デンプンのアルファ化条件

デンプンをアルファ化させることによって美味しく食べることができるお米ですが、それには条件があります。

  • 水分を加えること
  • 60℃以上で最もアルファ化は進行する
  • 80℃を超えるとアルファ化が終了するものもある
炊き立てご飯

お米デンプンのアルファ化をうまくコントロールしたのが炊飯器です。お米に合った水分量、温度によるアルファ化コントロールを高い技術で行っているという事になります!

デンプンのベータ化条件

アルファ化とは別にデンプンが硬くなることをベータ化(老化)と言います。アルファ化されたデンプンはベータ化をしようとします。そこには以下の様な条件があります。

  • 0℃~10℃で最も進行する(10度以上では進行はかなり遅い)
  • 0℃以下でベータ化はストップする(お米を冷蔵ではなく冷凍庫で保管する理由)
  • 水分量が数%の状態だとベータ化は抑えることができる
  • 水分が60%~30%程度で最もベータ化は進行する
黄色くなって硬くなったご飯

ベータ化がおきる条件もいろいろとあります。

米粉パンが冷めて硬くなってしまうのもデンプンのベータ化が原因だと言われる理由がよくわかりますね。

このアルファ化とベータ化の関係は搗きたてのお餅をイメージしてもらったら分かりやすいかもしれません。

搗きたてのお餅はモッチリしてますが常温で放置、もしくは冷蔵保管するとビックリするくらいカッチカチになりますよね!あれがデンプンのアルファ化とベータ化の分かりやすい例です!

同じことが米粉パンでも起きているとすると、そりゃあカチカチになりますよね"(-""-)"

【本題】アルファ米粉って何なの?

アルファ米粉とはその名の通りアルファ化された米粉ということです。

つまり一度、お米をアルファ化させてベータ化を出来ない条件で粉砕したものなのです!

イメージ難しいですよねww

アルファ米粉の作り方

では実際にどのようにアルファ化米粉が作られているのかを説明していきます。

急速乾燥を行う場合

炊いたお米を急速乾燥し、製粉を行う方法です。一般的なアルファ化米粉を作る際に用いられる方法です。

パフ化を利用する場合

こちらの方法は比較的新しいアルファ化米粉を作る方法です。

米粉業界では製粉機メーカー「西村製作所」が発表し話題になりましたが、実は岡山県の米粉メーカー「シーワン」がその2年以上前から販売を開始し、弊社運営の大元工房では使用していたんです!もしかしたらパフ化のアルファ化米粉を使用した世界初は弊社かも!実は私、開発にちょっと噛んでるんですよねー、、、♪

おっと、話が脱線しましたね、すみません。。。

パフ化とは簡単に言えばお米をポン菓子に変え、それを製粉し米粉にするんです!

今回は、

パフ化を利用したアルファ化米粉を使ってアルファ化米粉の特徴をご紹介します!

アルファ化米粉とベータ化米粉の違い

もう一度おさらいすると、

一般的な米粉がベータ化米粉(米粒を粉にしただけ)

アルファ化米粉は一度お米をアルファ化し製粉したものです。今回はパフ化から製粉したものでの紹介です。

左)アルファ化米粉     右)吉備しあわせ米粉

アルファ化米粉はいちど熱が入っているため、色が黄色くなっています。一般的な米粉は基本的には真っ白なので、並べると見分けがつきやすいです。

重さ

大さじ1で計ってみました。差はみての通りアルファ化米粉は半分以下です。パフ化することによって米粉ひと粒の水分が極めて少ないことが分かります。触ってみたらびっくりするぐらいフワッフワで軽さに驚愕します!

米粉特性

さて、いよいよ米粉としての特性に迫っていきます!

ここでは、いつもの様に加水テストの様子を見てもらいましょう。

今回は20gの粉に対して、2倍の40ccのお水を加水しました。

見ての通り同じうるち米から作られている米粉なのにこんなに違うんです。

通常の米粉は水っぽさがあるのに対して、アルファ化米粉は完全に水を吸収してしまっています!

この性質の利用方法はずばり

生地の乾燥を防ぐ

という効果が突出しています。

アルファ化米粉の利用価値

そもそも、このアルファ化米粉を開発をスタートしたきっかけは、パンの老化を防ぐ方法はないか?ということでした。そして、アルファ化の米粉を作る事を目指して試行錯誤してきたわけですが、ある別の問題解決依頼があった事です。

それは、

「どら焼きの生地を焼いていると円の縁から水分が蒸発して波を打ったようになってきれいに仕上がらない」という事でした。

つまり、水分が多い生地だと米粉は水分を吸収しない片栗粉みたいな存在なので、どんどん水分が蒸発していってしまい、焼き縮みを起こしていってしまうという事だったんです。増粘剤で水分を留めることも考えましたが、やはり時代は無添加を押していたのでレシピで対応したいという内容でした。

そこで活躍したのがアルファ化米粉です。

実はこのパフ化を利用したアルファ化米粉はとても高価なものでメーカー希望価格2,000円/kgもする高価なものなのです。手間がかなりかかって今るのでしょうがない(;´Д`)

でも添加量はたったの1%で効果は絶大!

しかも、表記は「米粉」となるわけです。

生産ラインにも問題なく対応し、体調生産も可能にしたんです!商品原価にすると1円以下になるという事で即採用されました!

アルファ化米粉を実際に使ってみると

というわけで、アルファ化米粉の特徴、特性について説明してきましたが、最後に実際使っている者から見たアルファ化米粉の最大のメリットをお伝えします。

それは、

生地水分の安定ですね。

アルファ化米粉ってつなぎに使うだったり、膨らみがアップするだったり、様々な情報が飛び交っていますが一番は生地表面もしくは生地そのものの加熱による水分蒸発を遅らせる作用に期待するのが、最も効果を出しやすいのではないでしょうか。

例えば、

●クッキーの表面にヒビが入る

●パンケーキを焼くと反ってしまってボソボソになる

いろんな悩みを解決してくれます!使っている商品は正直分かりません。表示は米粉ですから。

そのぶん、他社と差をつけるための良いアイテムになるかもしれませんね!

★株式会社シーワンのアルファ化米粉「米粉PF」に関しましては、取り扱いが業務用になりますのでお試しになりたい方は、直接お電話をお願い致します。当サイトでは対応しかねますのでご了承ください。

株式会社シーワン 岡山市南区福成2丁目12番18号  TEL:(工場直)0866-56-6601

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